教団ニュース

2023年09月18日

使徒パウロの新約聖書型宣教戦略

世界宣教を復興するためには、イエス・キリストのような宣教にかける情熱と、福音をより持続的に伝えるための戦略と管理体系が必要です。使徒パウロは宣教戦略に関して私たちに大きな遺産を残しました。彼は当時ユダヤ教の分派でしかなかったキリスト教を世界的な宗教に拡張させた最大の功労者です。パウロの宣教戦略の特徴は主に以下の3つに集約されます。

まずは、ユダヤ人を優先したことです。イエス・キリストの言葉”むしろ、イスラエルの家の失われた羊たちのところに行きなさい。”(マタイの福音書10章6節、聖書 新改訳2017©2017新日本聖書刊行会)は信仰を失った人たちをまず伝道するという意味です。使徒パウロもユダヤ人が集まる会堂で福音をのべ伝えました。ユダヤ人は福音を正確かつ迅速に受け入れるための要素、すなわち礼拝と約束を持っていました。今日の宣教現場でも、属していた教会から何らかの事情で離れてしまった人たちが再びイエス・キリストの十字架の血潮によって癒され、力づけられるならば、これまで以上に貴重な福音伝搬の担い手として用いられることでしょう。

第二に、主要都市を中心とした宣教です。新約聖書には使徒パウロによって書かれた手紙が多くあり、その殆どが主要都市の教会に宛てて書いた信仰と宣教の手引でした。当時、都市には特に人の往来が集中していて、都市部の教会を拠点として周辺地域に効率的に福音が伝えられました。今日も宣教団体は主要都市の教会を活用して戦略的に伝道することが重要です。勿論、魂の救いは完全に聖霊によってのみ成されるわざです。しかし、人に与えられた知恵と環境を駆使して宣教に取り組むならば、多くの出会いと交わりを通して聖霊がますます豊かに働く機会となり、より豊かな結実を得られることでしょう。

最後は、自立宣教です。イエス・キリストは祈りの中で、『私たちの日ごとの糧を、今日もお与えください(マタイの福音書6章11節)』と神に求めました。使徒の働き18章3節には、使徒パウロが自ら天幕(テント)作りをして宣教資金を調達したことが記録されています。宣教の働き手が、礼拝献金や包括団体・教団から提供される資金によって宣教に専念できるに越したことはありません。しかし、そうしたいわば「旧約聖書型」の財源で自活できる事例は多くありません。また、より即応的で積極的な開拓伝道と宣教投資のためには、献金や支援以外の財源を作らなければなりません。この「新約聖書型」とも言える自立宣教モデルの具体例として、1)召命を受けた専門技術者を宣教地に派遣するタイプ、2)宣教の担い手を対象にビジネス教育やスモールビジネスを通じて自給力を提供するタイプ、そして、3)宣教支援を目的とする経済組織を設立して宣教支援を行うタイプがあります。

イエス・キリストの大宣教命令は、クリスチャンの共通使命です。この使命を我々が持続的かつ迅速に達成するためには、優れた宣教戦略が必要です。我々はその戦略を聖書の御言葉から見つけ出し、現代に適用しなければなりません。その点において、パウロの宣教戦略は、聖霊が私たちすべての神の民に与えてくださった大切な知恵です。

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